2005年06月05日(日) [長年日記]
■ 小野田黒的萩尾望都文庫ランキング
という事で、先日予告したような気のする、小野田黒の独断と偏見による萩尾望都文庫ランキングです(萩尾望都って誰?という方は読み飛ばすか、まあ、少女漫画家さんであるという事を理解してから斜め読みしてください)。誰もこんなランキングに興味無いかもしれませんが、まあ、土日のネタ不足進行という事で、御容赦ください。ちょっと縦に長いです(26冊のランキングなので)。好きな順に並べます。では、はじまりはじまり。
- 1.トーマの心臓
- これはまあ不動。シナリオは実は単純なのに、何故か読ませるモノがある。必読。
- 2.アメリカン・パイ
- 表題作の短編のみ良い。「誰が作ったかもわからないような歌が歌いつがれて残っているように、人が死んだあとにも想いだけは残るのだ」というグラン・パのメッセージは泣ける。
- 3.ポーの一族
- これもまあ定番。不死のバンパネラ一族(主に、14歳でバンパネラになってしまったエドガー)の物語。純粋に漫画として楽しめる。でも、なんというか、一気に死にすぎ。←微妙にネタバレ
- 4.訪問者
- 「トーマの心臓」のオスカーの過去の話。なんか好き。他の短編は微妙。
- 5.半神
- 表題作のみ良い。でもちょっと暗い。
- 6.Marginal マージナル
- これと「銀の三角」と「スター・レッド」は共通するモチーフが多い。多分「スター・レッド」で中途半端になった部分を「銀の三角」で描ききろうとしたけどまだ納得いかず、最終的にこのマージナルで仕上げたんじゃないかと勝手に推測(多分違ってますが)。男しかいない、石女となった地球、というのはネタとして面白い。
- 7.銀の三角
- ラグトーリンがカワイイ(内容と関係なし)。終わり方は悪くないが、もうちょっと印象的に(「マージナル」のように)終わらせても良かった気がする。
- 8.メッシュ
- 金銀メッシュの髪を持つ家出少年の親父反発物語+α(要約しすぎ)。軽くて結構好き。
- 9.フラワー・フェスティバル
- いわゆるバレエシリーズ。最初は、ブラコンのバレリーナの話かと思ったら、途中でなんか色々ゴチャゴチャとして大団円で終わっている。まあ、疲れずに読めていい。
- 10.感謝知らずの男
- 「ローマへの道」にちょっと出てるレヴィが主人公の話+α。「本気で恋愛したら宇宙からのパワーがパワーッとやってくるものさ」というセリフでわかるとおり、やっぱり軽い話が多くて読みやすい。
- 11.この娘うります!
- ファザコンの娘がモデルとして成長していく物語。ミュージカル風で結構好き。
- 12.恐るべき子どもたち
- コクトーの作品の漫画化。「恐るべき」さ加減がよく出ていてイイ。ラストも好き。
- 13.スター・レッド
- ガイド役だったエルグがすぐに仮死状態の鋼鉄卵(?)になったり、途中で主人公が出てこなくなったり、エルグが復活したと思ったら「ひどいショックをうけるとああなるんだ」とかワケのわからんことを言ったり、色々とオカシイが、その妙な部分も含めて楽しめば、まあ楽しめる。
- 14.11人いる!
- アニメにもなったので比較的有名だが、普通の漫画だと思う。特に続編は微妙。
- 15.A-A'
- 「無愛想」な一角獣種を軸としたSF短編。クローンを題材とした表題作は良い。
- 16.海のアリア
- 海でおぼれたアベルの体に変な光が入りこんで以降、性格が変わってテンヤワンヤな話(テキトーすぎ)。その光を追ってやってきた音楽教師アリアドは宇宙人だったー!みたいな。このへんの作品からちょっと微妙になってくる。
- 17.ローマへの道
- いわゆるバレエシリーズ。表題作の他に、併録の「ロットバルト」も軽くていい。オチが好き。
- 18.11月のギムナジウム
- 「トーマの心臓」の原形だが、物凄く微妙。どうしてここから「トーマの心臓」が出てくるのか、相当不明。
- 19.とってもしあわせモトちゃん
- まあこんなところでしょう。
- 20.ケーキ ケーキ ケーキ
- いたって普通の漫画。
- 21.ゴールデンライラック
- 同上。
- 22.ウは宇宙船のウ
- 原作があるらしいがピンとこなかった。
- 23.イグアナの娘
- ドラマにもなっていたが、小野田にはどうもよくわからなかった。理解力が足りないのか……?
- 24.あぶない丘の家
- こっから下は、なんかもうメロメロ。あんまり考えずに勢いだけでキャラを作り、そのキャラで、義経ネタだとかSFだとかをやってみました、という感じ。
- 25.モザイク・ラセン
- 何がなんだか不明。変な世界に行って帰ってくるだけの話。どうせなら「海のアリア」あたりまで突き抜けて欲しいところ。
- 番外.完全犯罪 フェアリー
- これは甲斐よしひろの歌をネタにした作品のようなので、番外。漫画としては……微妙か?
以上です。それぞれレビューとも感想とも呼べないような内容ですが、小野田の嗜好はこんなもんですよ、という参考に。あんまりこれを参考にして購入したりしない方がいいと思います。多分。
■ 今日は
なんか長いので(縦に)、ネタはこれだけです。明日は通常どおりです。多分。ネタがあれば。
[ツッコミを入れる]