ミスターヘルプとは、星新一の短編の中のキャラクターの名前である。このゲームとのシナリオ上の関係は無いが、キャラクターの案はその短編から得た。


 このゲームは、スクロールワンキーアクションゲームである。キーを押すとヘルプが上に上がり、放すと下がる。この操作を駆使して、敵と、敵の吐く炎をよけ、さらわれた姫が目印のために流した各種アイテム(帽子や靴など)を取得し、最後に姫をさらったドラゴンと対決し、姫を助ける。
 メインゲーム部分はなんの変哲も無いワンキーゲームだが、ボスとの対決が少々変わっている。自分の背後に『反射板』と呼ばれる板があり、それにボスが吐く炎をうまく当てる(炎は自分の動きを追従するので、ワンキーでその操作ができる)。すると炎は跳ね返り、逆にドラゴンに向けて発射される。その炎でドラゴンにダメージを与えるのだ。理屈としては無茶だが、ゲームとしてはワンキーで多彩な動きが出来るため、悪くない発想だと思う。
 それなりに遊べ、プログラムもコンパクトにまとまったので、マイコンベーシックマガジンに投稿したが『明日のスタープログラマー』という次点どまりで、惜しくも掲載はされなかった。後にも先にもベーマガに投稿したのはこの作品だけである。

 また、ワンキーゲームの割に結構遊べる点が製作者の気に入ったようで、後日X68k版が作られている。これは、海底の地形が変化したり、スクロールが綺麗になったりと、全体的に改良されたものであったが、魚が水の中で炎を吐くという不条理な点は改良されなかった。
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