一日目(2004/11/6)

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箱根湯本駅 - 11:00

 今回の旅のセッティングをしてくれた友人のSと共に、着替えやら雨具やらテントやらをギュウギュウに詰め込んだバカデカいザックを背負って、新宿から小田急線で箱根湯本まで移動。土曜日だったためか意外と電車内は混んでいて、2時間弱をほとんど立ちっぱなしで過ごす。しかし、この時は元気だったので問題ナシ。
 箱根湯本駅に到着すると大勢の観光客がいるが、我々のような装備の人は見当たらず、気楽な秋の行楽、といったところ。ひとまず駅前で一枚撮影(以下、写真は全てクリックすると大きくなります)。

旧道入口 - 11:18

 昼食を駅近くの店で購入してから早速旧道入口を探すが、よくわからない。観光協会で地図を貰い、なんとか旧道コースに入る。すると、いきなり「誰もいない山の中」といった景色になり、さっきまでいた行楽客は一人も見当たらない。さらにこの写真の先は激しい坂で、道が九十九折りになっており、重い荷物が肩と腰に喰い込む。息を切らせつつ頂上(といっても小高い丘程度の高さ)にたどりつくと、あずまやがあったので、休憩して昼食。

畑宿へ…… - 12:33

 しばらくはこのような車道を進む。「旧道」というので、いきなり自然の中を歩くと思ったのだが、どうも違う様子(実はあまり調べずに行った)。
 まずは一里塚のある畑宿まで黙々と進む事にする。

畑宿一里塚 - 14:30

 ようやく右のような石畳の道になり、箱根旧街道の旅、といった趣になってくる。坂をいくつか越えて、畑宿に到着。「畑の茶屋」という店で箱根細工に感心したりしながら、飲み物を飲んで一段落。箱根細工を買いたかったが、この時点で荷物が増えるのはイヤだったので諦める事にした。
 そして、「畑の茶屋」から少し歩いたところにある一里塚の写真を撮影(一里塚とは、街道などに一里(約4km)ごとに作られた目印)。

延々と箱根の山登り - 〜16:10

 一里塚を過ぎると、歩けども歩けども坂道の連続となる。実は一度道を間違えて「畑の茶屋」まで戻ってしまうというアクシデントが発生したのだが、来た道を泣きながら戻って本来のルートに復帰。このあたりで、重い荷物がかなり体にこたえてきた。

 急な坂を真っすぐ登れない車のために、右の写真のように車道は曲がりくねっているわけだが、人はその急坂をほぼ真っすぐ登っていく事になるわけで、かなりツラい。自分のザックはそれほどでもないが、Sのザックは20kgを超えようかという重さなので、相当こたえていた様子。上の写真のような景色で癒やされつつ先に進む。
 この日はそれなりに良い天気の休日だったため、坂を下ってくる何人ものハイキング客とすれ違った。「上りはツラいわねぇ〜」とか声をかけられたが、あんまりここを登る人はいないのだろうか?微妙に不安を覚える。

甘酒茶屋に到着 - 16:15

 果てしなく続くかと思われた坂の連続をなんとか乗り切り、茶屋に到着。「橿木坂(かしのきざか)」という、あまりに傾斜がキツくてどんぐりほどの涙が溢れるという坂あたりが一番キツかったが、餅と甘酒でその疲れも吹き飛ぶ(というほどでもないが、多少は回復)。
 茶屋には大勢の客がいて「この人達も歩いて登ってきたのか?」と、思ったが、どうやらみんな自動車で来て休んでいる様子。その車に乗せてください、と言いそうになったが、グッとこらえる。

ここはどこじゃ? - 17:02

 実は初日の到着予定地は三島だったのだが、どう考えても無理なので、芦ノ湖の少し手前のキャンプ場を目指す事に変更した。が、そのキャンプ場がどこを探しても見つからない。山の中だからか、5時を過ぎるとどんどん暗くなり、行動が制限されてきた。既に手にマグライトを持って、地面を照らしながら歩く有様。しょうがないので、キャンプ場近くと思われるお玉ヶ池をぐるりと一周すると、ラーメン屋さんを発見した。そこの店主の話だと、キャンプ場なんて10年以上前にとっくに無くなった、との事。観光協会で貰った地図にも載っているというのに、そりゃないよ……と、思いつつ、必死で臨時のキャンプ地を探す二人であった……。

〜一日目終了〜

 結局ラーメン屋さんから少し戻ったところにある、箱根の山の中の広場をキャンプ地に決定した。既に6時の時点で日は暮れて周囲は真っ暗であり、何も見えない中でのテント設営となった(設営したのはSだが)。一応あずまやがあったので、そちらに荷物を置き、キャンドルライトのあかりでしばらく過ごす。
 実は夕食よりもキャンプ場探しを優先したため、この時点で何も食べていない(既にさっきの餅は消化済 )。食べ物屋というと、さきほどのラーメン屋くらいしかないのだが、ここまでの疲労が蓄積しており、とてもじゃないがそこまで戻って夕食、という気分でもない(20分くらいで行けるが、それすら無理な状態だった)。しょうがないので、非常食として持っていたカロリーメイトとポッキーを夕食にする。なんだかわびしいなあ……と思いつつ空を見上げると、星が出ていた。いつも見ている市街の空とは違い、数えきれないほどの星が目に入る。とりわけ、双眼鏡で見た東の空の「すばる」の輝きは都会のそれとは比べものにならなかった。
 こうして、わびしいながらも印象深く、箱根旅行の一日目が終わったのだった……。

二日目に続く……