鋸山登山記
(2003/5/3)

浜金谷 - 12:30頃

 鋸山の最寄りの駅「浜金谷」に到着。この駅より先はJRの線路が単線になるくらいの、ほどよい田舎。ゴールデンウィークまっただ中とあって、それなりのにぎわい。SUICAが使えないからか、精算所がえらい混みよう。かくいう小野田(黒)も、ついSUICAを使ってしまったため、長々と待たされる羽目に。

 友人のひさ氏が駐車場のおじさんに登山口の場所を聞き、ロープウェイが優雅に登っていくのを尻目に、その場所へと向かった。天気は上々、新緑が目にまぶしい。良い一日になりそうだ。

          

鋸山登山口 - 12:55頃

 登山口がわからず、鋸山地質研究所だかなんだかの怪しいトンネルにやってきてしまい、引き返したりしたので、微妙に時間をロス。しかし、特に時間に追われるスケジュールではないので、のんびり進む。

 ようやく狭い登山口を見つけて、鋸山に足を踏み入れる。しかしあまりの急な坂や壮絶な直射日光、容赦なく襲いかかるサソリやピラニアの襲撃により、登山開始一分で疲れ果てる小野田(黒)(左)と、ひさ氏(右)。というか嘘だが。
 冗談で撮影した上記の「疲労困憊写真」が、数分後に現実のモノとなろうとは、このときの彼らには知るよしもなかったのであった。

苔の階段 - 12:56頃

 登り始めていきなり出くわした苔むした階段。うっそうと茂った木々の間だから日がさして薄暗い中、妙に良い雰囲気。これからの道程に期待が高まる。

山中 - 13:41頃

 苔の階段を登り、延々と続く急な階段を上り続ける。想像していたより山道が急で、おまけに一休み出来るポイントも少ないため、黙々と歩き続けること30分強。崖に生えている木にひさ氏が登ってみたり、高所恐怖症気味の小野田(黒)にはちょっとキツい、左右が急な崖になっている細い道をビクビクしながら歩いたりしつつ、山頂を目指す。
 この写真はその山中の中の一枚。奥にひさ氏がいる。謎の原住民ではないと思う。

 ちなみに、この頃には既に、登山口で撮影した写真が現実のモノとなっていた……。数年前に小野田は高尾山にも登ったのだが、感覚としてはそちらの方が楽だった。家族で登ろうという人は、とりあえずロープウェイで山頂までいき、そこからハイキングコースを歩く事をオススメする。

山頂 - 13:53頃

 約一時間で、無事山頂に到着。道中は結構厳しかったが、それほど時間がかからないことから、登山気分を気軽に味わうにはちょうどいいかもしれない、と、登りきった時には思った。

 登山口から登ってくるとロープウェイ乗り場の裏口あたりに出るので、そこにいた老夫婦に「若い人は元気ねえ。どれくらいかかったの?」などと話しかけられる。時間など計ってなかったので「30分くらいですかね?」と、ひさ氏がテキトーに答える。デジカメ写真のタイムスタンプを見ると、その倍くらいかかっていたことが判明。あの時の老夫婦さん、嘘ついてごめんなさい。

 右はその山頂からの一枚。いい景色。実際に見た空はもっと青く見えた。

百尺観音 - 15:12頃

 山頂の食堂で期待どおりのアレな味の昼食を食べたあと、鋸山にはハイキングコースなるものが存在する事が判明(全然下調べしていない)。90分と時間も手頃なので、引き続きそちらのコースを歩く事にした。ただ、そのコースに入るにはコース内にある日本寺の拝観料600円を払わなければならない。とりあえず払って、一つ目のスポットである十州一覧台という展望台をひやかし、二つ目のスポットである、百尺観音へと向かう。

 左の写真がその百尺観音。岩を掘り抜いて作ってある、巨大な観音。下にいる人(観光客さん)からサイズを判断して欲しい。

地獄のぞき - 15:28頃

 ひさ氏が唯一下調べしていたという「地獄のぞき」にやってきた。ここは、数十メートルの断崖の上から絶壁を覗けるという、高所恐怖症的には最悪のスポットである。

 で、その写真がコレ→

 岩の下に何もないよ!!

 オマケに、なんだかとってつけたような感じで、今にもポロっとモゲそうだし……。当然だが、中レベルの高所恐怖症である小野田(黒)は、この先端までは行けなかった。それに対して写真の端部分にいるひさ氏は涼しい顔。滅多に出来ない体験が出来たと喜んでいた。理解できん……。
 とりあえず断崖っぷりを示すためにもう一枚。↓
 勘弁してくれ(涙)。

 こんな風景目白押しなので、高所恐怖症気味じゃない人にとっては面白い場所だと思われる。この場所はさきほどの百尺観音の上にあたる。

日本寺・薬師瑠璃光如来 - 16:40頃

 千五百羅漢と呼ばれる羅漢像が道中のあちこちにあるのを眺めながら進み(何故か羅漢像の写真が無い)、日本一デカいという大仏に到着。東大寺の大仏は18.18mだが、こちらは31.05mもあるのだという。それほどのスケールの違いは感じなかったが(東大寺のは、屋内なのでデカく感じるのか?)、大きい事は大きい。ただ、顔はやはり鎌倉の大仏の方がハンサムだった。

 

 これでハイキングコースは、ほぼ終了。ひさ氏と共に千葉名物MAXコーヒー(妙に甘い)を飲みつつ休憩。山頂からここまでの道はおおむねなだらかで、初夏の緑と鳥の声を楽しみながらのハイキングは、月並な表現だが、心が洗われるようだった。

 駅までの短い山道では、あまり人と出逢わなかった。どうやらほとんどの人は、大仏近くの駐車場まで車できていたか、逆側のロープウェイで山を降りたらしい。おかげで静かな山道を楽しめた。途中の観音堂の芝生で寝転んで、鳥の声を聞きながら木々の間から見える空を流れる雲を眺めたりして、のんびりした時を過ごす。時間に追われない一日を大満喫。

 空が夕焼けに染まる頃、駅に到着。軒並み七時で閉まる駅周辺の店にほのぼのとした田舎の匂いを感じつつ、帰途につく。ほとんど下調べもしなかった鋸山行だったが、かなり満足度の高い一日だった。高所恐怖症の人間にはやや厳しい場所もあるが、気楽に登山気分が味わえ、観音や羅漢像、仏像、そして何よりも自然を満喫できる鋸山は、派手さはないが、万人にオススメ出来るスポットだろう。

 ありがとう鋸山。気がむいたらまた来るよ。←地獄のぞきが堪えたらしい

鋸山麓の夕焼け(18:27)

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